2005年08月22日

紫水晶 第二章_変貌2

■前回のあらすじ  読み直して見る?


 夢を見た気がする。

 だけど、揚羽にはそれがどんな夢だったかを思い出す事が
 出来なかった。

 最悪の目覚に苦しむ彼女を急かす様に

 母親の呼ぶ声が聞こえてくる。

 ふらつく体を支えながら出かけていく揚羽の後ろで

 母親が一人、息を呑んだ。

第二章 変 貌


 私(花西揚羽)はいつも一人だ。

私には友達が誰一人としていない。

というのも、私が人から遠ざかっているのだから当然の結果だ。

いつもこうして学校には行っているがクラスにいる事はほとんどない。

それにいたとしてもほとんど目立たず、

一人静かに教室の隅の方に座っている。

クラスメイトの中には、私の存在に全く気付いていない人もいるに違いない。

気づいている人の中でも、私は何を考えているのか分からない奇妙な、

そして暗い奴だとでも思われているのだろう。

別に他人にどう思われていようが、私には関係のない事だ。

むしろ、そうやって放って置かれた方が楽でいい。

(もう、あんな思いはしたくない。裏切られるぐらいなら、

裏切られて傷ついて泣くぐらいなら、最初から信じない方がいいーー)


そう、私は人間不信に陥っていた。

それは両親が離婚したせいだ。

父親が母親と別れて別の女のところに行ったせいだ。

仲のいい両親だと思っていたのに。

噛み合っていた歯車が崩れ落ちていく気がした。ショックだった。

また、今一緒に住んでいる祖母が、

私の事をろくでもない男の血が混じっていると邪険に扱うのだ。

毎日毎日、怨むような視線を浴びせられもう気分はボロボロだった。

私がまだ小さかった頃、その事で散々旧友達にもからかわれた。


「お前とお前の母ちゃん、父ちゃんに捨てられたんだって?

やぁーい、捨てられっ子、捨てられっ子。」


あの時の彼らの軽蔑の眼差しを忘れる事はないだろう。

悔しかった。耐え切れずに涙がこぼれた。

だが、それ以上に凄く悲しくて悲しくて仕方なかった。

気遣う母親の声さえも、その時は耳に入らなかった。








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posted by 霧沢美咲 at 14:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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