2005年08月28日

紫水晶 第三章_悲劇の幕開け3

■前回のあらすじ  読み直して見る?

 揚羽を助けてくれたのは、幼馴染の葉瀬優也だった。

 彼の言うままに目を瞑ってみれば

 皆は正気に戻った。

 つかの間の安心。だが

 慣れない事の連続で揚羽は疲れきっていた。

 ただ、独りになって落ち着きたい。

 揚羽はそう思って学校を後にした。


「大丈夫か?」

僕は口をあんぐりと開けて突っ立っている結城に向かって、

恐る恐る話しかけた。

結城がそうなるのも無理は無い。

なぜなら、ついさっき例の一年の女子生徒を見た瞬間、

態度が急変した事を話したばかりだったのだから。

僕は人ごみの中に足を踏み入れた時、皆の様子が可笑しい事に気づいていた。

何ていうか、

彼女しか目に入ってないかのように僕がどうしたのか話しかけても、

全然反応がなかったのだ。

結城も、それに気づいたらしい。様子が変だと言っていた。

なのに、そんな彼もサングラスを取った瞬間、

そんな周りの奴等と同じように可笑しくなってしまったのだ。

一体、何が起こったのか分からなかった。自分の目が信じられなかった。

けど、それは実際に起こったのだ。


「いや・・・、まあ大丈夫。」


結城は煮え切らない声を出した。

まあ、仕方ないかな、と僕が肩をすくめると彼は首を振り言った。


「信じてないわけじゃないんだ。俺も様子の可笑しい奴等を見てるしさ。」

けど、と結城は続けた。


「全然覚えていないんだよなぁ。

あの一年の女子生徒に操られていた時のこと。

意識がとんでるって言うかさ。」


何か少しでも覚えている事があれば役に立つんだろうけど、

操られている時っていうのはそういうものなのかな、と呟く彼を

僕は自然と笑みを浮かべて見つめていた。

こうして結城は僕の言ったことを信じてくれる。

彼がいてくれて良かったと、心から思った。

彼の存在は、すごく自分の助けになっている。

生徒会もそうだし、それに僕達がまだ小さかった頃にもそう思った事がある。


あれは、僕が五歳の時だっただろうか。

僕は飛行機事故に巻き込まれ、そこで精霊に会った。

嘘ではない。本当の話だ。けどそんな事、今時誰も信じやしない。

下手な冗談だと笑われるのがオチだ。

実際、僕がどんなに一生懸命説明してみせても、

誰からも適当にあしらわれるだけだった。

正直、僕はかなり落ち込んでいた。

何で誰も信じてくれないのかと、腹立たしかった。

そう言われ続けても、僕は精霊の存在を信じていた。

これからも信じ続けるつもりだ。

そんな僕の気持ちを汲んでくれたのも結城だった。

話す度に何かと気の合った彼はきっと信じてくれるだろうと思っていた。

が、確信は無かった。

そうであって欲しいとそれだけで、話すときは本当は心配でたまらなかった。

彼にまで否定されたら決意が崩れてしまいそうだったから。

恐る恐る話し始めた僕の前で、

僕のそんな心配もよそに結城はどんどん目を輝かせていった。

話が進むごとに身を乗り出して、それでそれで?と聞いてくる。

頬を高潮させて、すごいなぁと呟く結城に、

僕もつい嬉しくなって歯止め無く話し続けたっけ。


「つまり、

あの一年の女子生徒の目には人を操る力が秘められている、って事

なんだよな。しかも彼女にはそれに気づいてない、と。

すごく辛そうだったもんなぁ。」


一体、何が起こっているんだろうな?と尋ねてくる彼の目は

あの頃と同じく何のためらいもなかった。

その事に僕は、変わってないなと安心し、力強く頷いて見せた。


「ああ、昼休み当たりにでも彼女に会って話を聞いてみるのがいいかもな。」


「それがいいかもな。」


お互いに、頷きあう。決まりだ。


「何か、本格的に凄い事になってきたけど、最後まで見極めよう! 」






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posted by 霧沢美咲 at 10:40| Comment(6) | TrackBack(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんわ^^
なんだか…o(;-_-;)oドキドキ♪
おもしろい・・ってゆーか、美咲ちゃんほんと
お上手ですよね〜〜文章^^
うらやましいいわ〜〜(*゜▽゜)ノ

ブログのリンクぜひぜひお願いしますね^^
あたしもリンクさせてもらいますヾ(´▽`*)ゝ♪
これからもよろしくね〜〜うふ♪(* ̄ー ̄)v
Posted by みーこ at 2005年08月28日 23:19
いよいよ謎が解けていくのかな〜(((o(^。^")o)))ワクワク♪
Posted by まこティ at 2005年08月28日 23:27
いよいよ、確信に入ってくるって感じですね〜♪
でも、今回ちょっと疑問に思った点が一つあります。操られていたってありましたけど、僕としては操られていたと確信するまでのプロセスが欲しかったかな。何故あの状態からそれを疑問視して操られていたって結論を出すってのが入ると深みが増すように思います。
まぁ素人の意見なんで気にしないで下さい。
ちなみに映画でやっていたロードオブザリングを原作読んだ人は映画は酷いらしいです。
Posted by てっちゃん at 2005年08月29日 10:27
いやぁ、まだまだですよぅ〜(*^^*)
でも、そう言って貰えると少し自信がついたかもしれません♪

リンク、嬉しいです♪
ありがとう御座います〜☆
どぞ、今後ともよろしくお願いします(σ`・ω・)σ
Posted by 美咲〜みーこさんへ at 2005年08月29日 21:41
いやぁ〜、動き出しはしたんですけれど・・・
謎に迫るまではもうちょっと後になりそうですぅ〜^^;
クライマックスまで、まだ先があるので・・・。
もうしばらく、彼らと一緒に謎解きを楽しんで下さい〜♪
Posted by 美咲〜まこティさんへ at 2005年08月29日 21:43
確信に入るまでは、まだもうちょっとかかりそうですぅ〜^^;
まどろっこしい、って言われた事があるくらいだから
最初は展開が遅めで・・・(最後はそれに比べすっごい早め・・・ 汗)

むぅ、なるほど。
ちょっと思考が飛びすぎましたかね。
いえいえ、読み手の意見は大切ですから♪
今後、参考にしてみまーす^^
ありがとう御座います♪

ロードオブザリングの原作は、読む前からおじ気づいて読みませんでした><
映画は、私にはHitという訳には行かなかったかなぁ・・・。
格好良いんだけど・・・ちょっと、難しかったようです・・・。
Posted by 美咲〜てっちゃんさんへ at 2005年08月29日 21:51
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