2005年08月31日

紫水晶 第四章_思い出の日2

■前回のあらすじ  読み直して見る?


 少女の母親の口から紡がれた衝撃の言葉。

 『少女は家を出て行って帰ってきていない』

 三人は驚いて、少女探しにかかる。


 彼女は一体どこに行ってしまったのだろうか!?




「行くとしたらやっぱり人気の無いところ、だよな?」


「ああ。それにそんなに遠くにも行かないはずだ。

これでだいぶ場所は限定出来る。」


揚羽の母親から分かれた後、僕達はこれからの事について話し始めた。

時間のロスは出来るだけ避けたい。

と、なると三人で手分けして別々の所を捜すか。

手早く配分を決め僕等は動き出す。


「でも、意外に多いんだな。人気の無いとこ。

こうして考えてみるとさ。」

「ぼやいてないで、急ぐぞ。」


そう言いながら、僕は後ろから近づいてくる足音に向かって


「葉瀬は、こっちを捜してくれるか?」

と聞いた。


「・・・・・。」


彼が返事をしないのでどうしたのかと思い振り向くと、

彼は宙に視線を泳がせていた。

何かを身体全体で感じ取ろうとしているようでもあった。


「どうかしたのか?」


結城も走り出そうとした足を止めて、彼に怪訝そうに尋ねた。

僕達二人のそんな視線に気づいていないのか、

彼はきょろきょろと辺りを見渡し始めた。

そして、ある一点を見つめた後、彼は僕達に向き直った。

そして、こう言った。


「あの、皆で精進(しょうじん)の社(やしろ)≠ノ行きませんか?

多分、彼女そこにいると思います。」

「精進の社?」


僕と結城は口々にそう呟いて、お互いに顔を見合わせた。

精進の社≠ニは精進≠ミとつの物事に対して一生懸命に取り組む、

そんな心構えを身につけられるよう建てられた神社だ。

又の名を「階段地獄」と言う。

その総段数の多さとらせん状に設置された階段は、

まるで同じ所を登り続けているようで

根性の無い者にとっては堪えるに堪えないところである。

だからここにはめったに人が寄り付いたりはしない。

よほど物好きな人間か、人を好まない人間でなければ・・・。

確かに彼女がそこに行くという可能性はある。

僕達が捜そうとした場所の中にも、この神社は入れていた。

だが、三人揃って行くとなるとかなりの時間のロスになる。

それは彼にも分かっているはずだ。

その上で、彼女がここにいると確信し、

皆で行こうと提案するその自信は一体、どこから来るのだろうか?

先ほどのあの動きが何か、関係しているのか。


「何か、心当たりでもあるのか?」


僕のこの言葉に、彼はしばらく下を向き何かを考え込んだかと思うと、

すっと顔を上げて言った。


「確信って言うか・・・。そんな気がするってだけなんですけどね。

でも何ていうか、彼女がそこにいるって、間違いないって、

そう思えるんですよ。

こんな事初めてなんで、信じてみたいなって・・・。」


それが本当なら凄い話だが、

どうしたべきかと迷っていると

今まで僕達の会話を横で静かに聞いていた結城が僕に肩をすくめて見せた。

そして


「気になる幼なじみへの勘ってやつですかね。」


とちょっとおどけた声を出す。

かもしれませんね、と優也が苦笑を漏らす。

そうしながら、彼は先ほどの台詞を繰り返した。

「精進の社へ行きましょう。多分、彼女そこにいます。」


変わらず、自信に満ちている彼の言葉を僕達は信じるしかなかった。

彼女の事をよく知っているのは、まぎれもない彼なのだから。

僕達は三人揃って神社へと足を運び、

待ち構えている試練に向かっての一歩を踏み出した。




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posted by 霧沢美咲 at 10:00| Comment(6) | TrackBack(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回は非常に良かったです。読みやすかったですね。説明も適度でいいですよ♪複線もしっかりしてるし。早く続き読ませて!って感じです。
Posted by てっちゃん at 2005年08月31日 14:08
良かった!今回は問題なかったですか♪
あの、ところで複線って何ですか??

ふむ、どうしよう。
これからちょっとUPの速度を早くしてみようかなぁ・・・。
一日に2話とか・・・。
あ、でもそうすると次のネタを用意する時間がなくなるから
このままで行った方が良いか〜・・・。
Posted by 美咲〜てっちゃんさんへ at 2005年08月31日 21:42
複線は間違いでしたm(_ _)m
正しくは伏線です。変換ミスっちゃいました…。
ペースは今のままでいいですよ♪焦らずじっくりと書いて下さいね(^_-)
Posted by てっちゃん at 2005年08月31日 21:49
前回でちょっと頭の中の人物達がゴチャッと?しちゃったんですが、今回でまたスッキリしてきました〜♪
続き早く読みたい〜!のは山々ですが、1日1話でいいと思いますよ〜。
無理はしないで(*´ -`)(´- `*)ネー。
Posted by まこティ at 2005年09月01日 01:02

ああ!伏線ですね♪
はーい、じゃあペースはこのままで☆
Posted by 美咲〜てっちゃんさんへ at 2005年09月01日 14:13
ありゃ?
前回は人物がごちゃごちゃしちゃってましたか(汗)
気をつけなくっちゃ!
よし!どんどん行きますよ〜♪
Posted by 美咲〜まこティさんへ at 2005年09月01日 14:15
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