2005年09月03日

紫水晶 第五章_衝撃の事実 そして彼らの決意

■前回のあらすじ  読み直して見る?

行き成り地面が消えうせ、

バランスを崩す揚羽と優也。

冷たい水と、疲れきった体。

半ば引きずり込まれるようにして沈んでいく揚羽。


だが、必死に助けようと手を伸ばしてくれる温かい手のぬくもりによって

無事、助け出された。



今までずっと独りを望んできたけれど、

私の周りにはこんなにもぬくもりがあった事に

私は気づいてなかったんだ。



第五章 衝撃の事実 そして彼らの決意



「あ・・・・。」

至福のひと時の中、副会長のうわずった声が響いた。

皆の視線が彼にそそがれる。

彼は真っ直ぐに優也の方を見ていた。


「どうか、しましたか?」

不思議そうに首を傾げる彼に向かって、副会長はおそるおそる尋ねた。


「葉瀬。お前、サングラスはどうした・・・?」

「!!」

皆が一斉に息をのんだ。

衝撃を与えるには申し分の無い言葉だった。

操られないようにと結城が用意した安物のサングラスを、

彼はかけていなかったのだ。

神社にやってきた時はかけていたのに・・・。


「落とした、みたいですね。池に落ちた時に・・・。」


すみません、と頭を下げる彼に

そんなのは気にしなくてもいいと答えながら、副会長は


「何で平気なんだ?」

と生徒会長に意見を仰いだ。

生徒会長は何かを考え込むように黙り込んだ。

優也が私の方をじっと見た。私は体を強張らせる。

しかし、彼に異変は見られなかった。

そういえば、

学校の門のところでも彼はサングラスをかけてはいなかったような・・・。

それでもか変わらない笑顔で話しかけてきてくれた。

どうしてなのだろうか。

私の中の何かが弱まってきているのだろうか。

真上を飛んでいた雀が二羽、私に気づき急降下してきた。

そして私の両肩にそれぞれが舞い降り、歌うようにさえずり始めた。

普通なら見る事の出来ないであろうその光景に私は頭痛を覚えた。

彼等も再び目にしたその力の強さに呆然とするしかなかった。

どうやら、力が弱まってくれたわけではなさそうだ。

落胆する思いを胸に、私はさきほどの考えに戻る。


(力が弱まったんじゃないんだとすると・・・、彼にも、何かある?)


顔を上げて彼の顔をまじまじと見つめると、

彼はさも居心地悪そうに頭を掻いた。

そして、そういえば、と彼は私に向き直って話題を振った。


「揚羽さんって、きれいな瞳してるよね。」

突然の彼の言葉に、私は目を丸くする。

が、すぐに恥ずかしさから顔が赤くなる。

生徒会長が半ば呆れながら、こんな時に何口説いてるんだか・・・、

とぼそっと呟くのが聞こえ、更に赤くなり俯く。


「そういえば・・・。あんまりはっきりとは覚えてないんだけど、


薄く紫がかった瞳してるよな。カラーコンタクトでもしてるのか?」

と副会長が記憶をたどるように目を細めて尋ねた。


「?」

彼のその言葉に、私は困惑するしかなかった。

私は生まれた時から目は黒色だ。

コンタクトなんてあんな阻害物を目に入れて、

ましてや目の色を変えて何が楽しいのか。

見間違いじゃないですか、というように副会長を見上げると、

彼はうーんと唸って


「違った?おっかしいなー。

珍しい色だから、間違いないとは思うんだけど。」

と首を傾げた。

夢でもみてたかな・・・と呟く彼に優也が、いいえと首を振った。


「夢なんかじゃ、ありませんよ。」

どういう事?と彼を振り向くと、

彼はゆっくりと私の足元を指差しこう言った。


「その水溜りを覗いてごらんよ。」

見ると、私の体から滴り落ちた水滴で水溜りが出来ていた。

その中には、私が映っている。

私は映っている自分をまじまじと覗き込んだ。

木々の間から差し込む光が水面の中の私の顔を鮮明に映し出す。


「!!」

私は言葉を失った。

彼らの言った通りだった。

私の目は、薄く紫色に輝いていた。


「何なの、これ・・・っ!?」

悲鳴に近い叫び声を上げた私に

三人はのけぞり気味におずおずと声をかける。


「・・・大丈夫か?」

「大丈夫かも何も、何なんですかこれは!?

私の目が・・・目が・・・っ!」

動揺と恐怖から、私は声を荒げてその場にへたり込む。

震える体を抱え込む様にして、声がかすれるまで叫び続ける。

こんなに取り乱したのは、彼女にとっても初めての事。

それほど彼女の中を占める動揺と恐怖の割合は大きかった。

優也の手が彼女を落ち着かせるために、彼女の肩にそっと触れた。

しばらく沈黙が続く。

先ほどから小刻みに震えていた彼女も、少し落ち着いてきたようだ。





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posted by 霧沢美咲 at 00:00| Comment(4) | TrackBack(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いよいよ謎に突入キタ━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━!!!!かな?
優也君は途中で話をごまかしちゃった(*´ -`)(´- `*)ネー。
瞳の色とどう関わってくるのか((o(б_б;)o))ドキドキしてます♪
Posted by まこティ at 2005年09月03日 05:17
瞳の色が変わったのと能力と言うべきものが関係している。色によって効果が変わったりしたりして\(>o<)/
優也が平気なのも気になるなぁ。優也が謎解きのキーになるんじゃないかな?なーんてね(≧∇≦)
Posted by てっちゃん at 2005年09月03日 10:25
やっと、ちょこっと謎がかじってきましたね(笑)
ええ、優也君てば、誤魔化してばっかですね^^;
ここでは、瞳の色が重要です☆

Posted by 美咲〜まこティさんへ at 2005年09月03日 10:58
おーー!凄い!
「瞳の色が変わったのと能力と言うべきものが関係している。」
いいとこついてます♪
どう関係してるのかについては、続きをお楽しみに☆

優也君に関しては・・・今はまだうやむやにしておきま〜す♪

Posted by 美咲〜てっちゃんさんへ at 2005年09月03日 11:06
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