2005年09月03日

紫水晶 第五章_衝撃の事実 そして彼らの決意2

■前回のあらすじ  読み直して見る?


 サングラスをかけなくとも、操られる事のない優也

 一体、何故なのか!?

 彼にも、揚羽同様、何か不思議な力があるのだろうか?


 ふと、優也に言われて

 水溜りに顔を映した揚羽は息を呑んだ。

 黒色だったはずの瞳が

 今や、薄紫色に輝いていた


「少し、聞いてもいいか?」

そう、彼女を気遣うように静かな、

そして優しい口調で囁く生徒会長に彼女は静かに頷いた。

それを確認し、彼は


「それじゃ、さっきの続きを聞かせてくれないか?

 目が、どうしたって?」


と尋ねる。

しばらくして、彼女は地面に視線を落としたまま、ぼそっと答えた。


「私の目が・・・、入れ替わってるんです。」

「え・・・、入れ替わったってちょっと待った。そんな事が・・・。」


あるわけないという副会長の言葉をさえぎって、優也が身を乗り出した。


「誰と、入れ替わった?」


そういう彼の目は真剣だった。

そんな彼を彼女は無言で見上げる。

そして何かをためらうようにしばらくそのままの状態が続いた。


「誰と、入れ替わった?」


再び彼は彼女に尋ねる。

彼女は口をへの字に結んで、

しばらく視線を彷徨わせていたがついに、

重く閉ざされていた彼女の口が開いた。


「・・・夢に出てきた女の子です。全然知らない子でした。

でも、彼女の目は今の私と同じ、薄く紫がかった瞳をしていました。

初めて彼女を見た時すごく惹かれるものもありました。

それに、彼女が私に触れた時、

何かが私の中に入り込んできて

それで私の中からも何かが抜け出したようなそんな感覚を感じたんです。

だから、その・・・、目が入れ替わったのかと・・・。

今の私に分かるのは、それだけです。」


彼女の口調は暗く、重かった。

彼らに変に思われてしまうかもしれない。

せっかく見つけた自分の居場所。

こんなに早く手放したくない。

そう思ってしまうのは、彼女自身、

今自分自身が言った事を信じられないでいるから。

こんな事が実際に起こるわけが無い。

とはいっても、今考えられる範囲ではその事が一番それらしい。

この不確かな状態が彼女の気持ちを重くさせた。

だから、


「なるほどね。」


と納得する彼に彼女は不信な声をあげずにはいられなかった。


「・・・今の私の話、信じるんですか?夢ですよ?今の話全部。」


それに彼はいとも簡単に頷いた。

確かにね、と。

しかし、次に彼は真面目な様子で言った。


「夢って曖昧だし、確実じゃないよね。

 でも、そんな夢を見たって事は何か意味があるのかもしれないよ。 

 一応、現状に対して筋道は通っているわけだし・・・。」


そんな彼を不思議そうに見上げる彼女に、今度は生徒会長が、


「それに、夢って結構馬鹿に出来ない。

 いろんなところで意味を成している事が多いんだ。

 未来を予知するもの。真相に導くもの。

 実際、そういった夢で解決された事件の記録だってある。」

「だからといって、目が入れ替わるなんて事、起こるわけが・・・。」


まだなお首を振る彼女に、生徒会長は言い放つ。


「けど、現に花西はそれに苦しんでいるんだろう?」


思わず口ごもる彼女に、

花西も今のままじゃ嫌なんだろう、と彼は続ける。


「手伝うからさ。いろいろあたってみようよ。」


笑いながら、優也が立ち上がる。


「まあ、他に当ても無いんだし、調べてみる価値はありそうだな。」


と頭を掻きながら目の前の二人を見渡し、

ため息一つつきながら副会長も続く。


「・・・何で、そこまでしてくれるんですか?

 今日、初めて話をしただけの私に・・・。」


そんな彼らの言い分と行動に戸惑いがちに彼女は尋ねる。

自分の事でさえこうして信じられないでいるのに、

こんな他人の自分を信じられる、その素直さがうらやましかった。

そんな彼女に彼らは苦笑を浮かべる。


「確かに人のいい話だよね。今の君にとっては。

 人付き合い、苦手でしょ?

 何か、人から遠ざかろうとしているようにみえるよ。

 何があったのかはしらないけど、

 ただ僕等は君が困っていたから助けたい、そう思っているだけだよ。

 そう思って行動してるだけ。

 特別な事なんて何一つやっちゃいない。普段通りだと思うけどね。」


困ったように呟く彼らから、彼女は目をそらす。

そうでもしないと、涙がこぼれてしまいそうだったから。

ありがとう、と肩を震わせてぽつりと呟く彼女の様子に満足そうに頷き、

 彼らは


「まずは、少女捜しだな。特徴とか覚えてるかい?」


と聞いた。

その言葉に頷いて、私は生徒会長の差し出した手帳とペンを受け取り

少女の似顔絵を描き始めた。





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posted by 霧沢美咲 at 10:00| Comment(4) | TrackBack(1) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
また、謎が〜( ̄□ ̄;)
一番の核となりそうな夢の中の謎の少女?ですか。見付けるまでにまだ事件がありそう(-_☆)キラリ
花西さんが絵へたっぴだったらイヤだろうなぁ(>_<)
会長、副会長はさしずめ金田一くん(金田一少年の事件簿の)みたいな感じですな。決め台詞なんてあったりして(≧∇≦)
夢の中の謎の少女の裏にまだ誰かいそうでもあるね♪
たのしみ〜♪
Posted by てっちゃん at 2005年09月03日 15:03
明らかに何かありそうな優也君が目の前にいるのに、不確かな夢の少女を先に捜そうとするのはちょっと不思議。やっぱり生徒会長&副会長はおっちょこちょ・・・(ぁ 笑

夢の少女については、頭痛であまり思い出せてないのかと思いましたが、「私に触れて、何かが中に・・・」あたりから、結構思い出せてるのね〜と感じましたよ〜。ちょっと時間が経って思い出せたのかな〜?

このあと夢の少女を突き止められるのか!
楽しみなのです〜 。* ゚ + 。・゚・。・ヽ(*´∀`)ノ
Posted by まこティ at 2005年09月03日 15:21
あぅぅ・・・見抜かれているっ!?
ええ、少女を見付けるまでにまた一悶着あります。
一応、揚羽ちゃんは絵が上手かったみたいです♪
それから、決め台詞は・・・ごめんなさい。
多分、ないです^^;
Posted by 美咲〜てっちゃんさんへ at 2005年09月03日 20:34
ですよねぇ〜^^;
明らかに怪しすぎる優也君を、誤魔化されたとはいえ
ほっとくのは可笑しいですよね><
うん、おっちょこちょ・・・だ。

夢の内容については、自分の身に起こった事について
ずーっと考えていた時に少しずつ思い出したってところでしょうか。
それについても、も少しそれらしい事を入れた方が良かったかなぁ。

さぁ、少女を突き止める事は出来るんでしょうか♪
続きをお楽しみに☆

Posted by 美咲〜まこティさんへ at 2005年09月03日 20:38
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