2005年09月06日

紫水晶 第六章_新たな仲間3

■前回のあらすじ  読み直して見る?


 竜也と結城は聞き込みから帰って来た秀美から、

 衝撃の事実を聞かされた。

 

 少女だとばかり思っていた秀美は実は少年だったという事。

 そして、もう一つ。

 似顔絵の少女は、ここ最近から姿をくらましているという事を



「行方不明って・・・、本当にっ!?」


優也は今にも目の前の秀美の肩につかみかかりそうな勢いで声を荒げていた。

竜也、結城、秀美の三人は一度、

この新しく入った情報を報告する為に揚羽の家へと向かった。

彼女の母親は、彼らが尋ねてくるのを見ると本当にうれしそうに微笑み、

快く中へと招き入れてくれた。

そして彼女の部屋でその持ち帰った情報を聞くなり、

優也は表情を一変させたのだ。

その場にいた全員が、らしくない彼の行動に驚き息をのんだ。

秀美もまた、そんな初対面の彼の行動にかなり驚いた様子で、

部屋のドアのところまで後ずさりながら、


「嘘じゃないよ。だって皆言ってたもん。

 似顔絵の女の子、安藤真由子さんは、

 ここ一週間ぐらい前に通学途中で姿を消したって・・・。」


と戸惑いながらも口にする。

道が開けたように思えたものが、またはかない幻となって消えていく。

皆、心なしか表情が暗い。


「・・・それから一度も家にも、学校にも帰ってないのか!?」


思いつめたように、声を押し殺す優也。


「そう、言ってたわ・・・。必死に捜してるみたいだけど・・・。」


言い辛そうに、顔を引きつらせる秀美。


「そんな・・・嘘だろ・・・?」


頭を抱え、膝を折る彼に彼等は眉をひそめる。

確かにただ事ではない事が起こっているようだ。

だが、彼のこの取り乱し方は何だろう。

この思いつめた様な表情は。

誰か大切な人の身を案じているかの様な、この感じは・・・。


「・・・葉瀬?」


眉をひそめて竜也は彼に静かに声をかける。

その周りでは結城が、そして揚羽が心配そうにそれを見守る。


「・・・・・。」


聞こえていないのか、彼は黙り込んだままだった。

ドアにへばりついていた秀美が進み出て、彼の顔を覗きこむ。


「えー、何?どーゆー事?

 もしかしてお兄さん、彼女と知り合い・・?」


秀美のその言葉に、

ほんの少し彼が顔を強張らせたような、そんな気がした。

本当に微妙な差だったが・・・。


「・・・いや、別に。」


そう素っ気無く返し、

そっぽを向く彼を初め怪訝そうに見つめていた秀美は

これ以上待ってても無駄かなと思い、

ふぅとため息一つついて黙って見ていた残りの三人に肩をすくめてみせた。


・・・・・・・・・・・・・・・・。

しばし、辺りに沈黙が流れる。

そんな雰囲気に耐え切れずに結城が沈黙を破った。


「でも、凄いな。夢に出てきた娘がちゃんと実現したんだもんな。

 しかも、名前まで分かったし・・・。

次は彼女を見つければ道が開けたも同然じゃないか!なぁ、皆!」


必死にその場を盛り上げようと明るい声で彼は皆に同意を求める。


「本当に、見つけられるのかな・・・?」


そっぽを向いたまま視線を落とし、

ぼそっと呟く優也に困り果て彼は竜也に救いを求めた。

彼もまた落ち込んでいる優也の事を気にかけながらも、

力強く笑って見せた。


「ここまで来たんだ。何が何でも彼女を見つけ出さないとな。」


彼のその言葉に弱音を吐く者は一人もいなかった。

優也も少しだけ笑って彼の言葉に頷いていた。

よく事態を把握していなかった秀美も


「よくは分かんないけど、とにかくこの娘を捜せばいいのよね?

オッケー、あたしも手伝うよ。人数は多い方がいいでしょ?」


と快く申し出てくれた。



 とは言ったものの、放課後聞き込みをし、

そしてこうして話し込んでいた事でかなりの時間がたっていた。

外に出ると当たりは真っ暗で、ところどころに星が輝いている。

今日はもう無理だ。

丁度、明日からは連休。それにかけようって事で彼等は別れた。



    さて彼等には一体どんな運命(あす)が待っているのやら・・・。





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posted by 霧沢美咲 at 10:04| Comment(4) | TrackBack(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
また、奇っ怪な仲間が出来たね。
秀美は何故、学園前にいたんでしょう?
というより将来ニューハーフ?
調子がいいのもなんか妖しいなぁ。
神社に安藤真由子がいたりして。それともタイトルにある紫水晶があったりして。
Posted by てっちゃん at 2005年09月06日 12:44
あわわ・・・
秀美ちゃんたら奇っ怪呼ばわりされている・・・っ(笑)
また、って事は第一号はやっぱり優也君かな?(苦笑)
何故、学園前にいたのか・・・それは何も考えてませんでした^^;
突っ込まれると思わなかったもので><

彼(彼女)はただ素直な良い子のつもりですぅ^^;
どうぞ、怪しまないであげて下さいな☆

Posted by 美咲〜てっちゃんさんへ at 2005年09月06日 13:36
秀美ちゃん、素直で感が鋭いようで.。゚+.d(´∀`*)。+.゚ イイ!!
優也君は相変わらず(;¬д¬) アヤシイ。

誤字だと思うんですが、
「本当に、見つめられるのかな・・・?」
優也君のセリフです。

続き読んできます 。* ゚ + 。・゚・。・ヽ(*´∀`)ノ
Posted by まこティ at 2005年09月09日 14:32
秀美ちゃんを気に入って貰えたようで、良かったです☆
嬉しいなぁ・・・♪
優也君、ますます怪しいですよね〜・・・^^;

誤字、早速直しておきます!
ありがとう御座います☆
Posted by 美咲〜まこティさんへ at 2005年09月09日 21:51
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