2005年09月07日

紫水晶 第七章_再び表れた少女

■前回のあらすじ  読み直して見る?

 安藤真由子の行方不明の話を聞くや否や

 声を荒げ、取り乱す優也。

 とんでもない自体が起こっているのは確かだけど

 それでも、この取り乱し方は何だろう?


 分からない事だらけだけど、進むしかないんだ。


 さてさて、彼等には一体

 どんな運命(あす)が待っているのやら・・・。


第七章 再び現れた少女




私は布団の上に寝転がりながら、今までの事を思い起こしていた。

始まりは夢。

あの時はまさかこんな大事になるなんて思いもよらなかった。

私はふと近くに置いてあった鏡を持ち上げ、自分の顔を見やる。

以前まではあった私の瞳はそこにはなく、

代わりに薄く紫がかった瞳がそこには輝いていた。

あの少女と同じもの。彼女に入れ替えられてしまった。

人を惹きつける事の出来る力を秘めた瞳。

自分にそれが宿った今、

こうしてその瞳を見ても操られる気配は見えないが、

その力は半端じゃない。

この瞳にどんなに怯え、のろった事か・・・。


 だが、代わりに信じられる人が、信じてくれる人が出来た。

友達、と呼べる人が・・・。

生徒会長、副会長。

見ているだけだった彼等は思っていた通り、凄く優しくて素敵な人達だった。

見掛け倒しなんかじゃなかった。

それに、今日初めて会った浅田君も凄く温かい人だった。

男の子だって聞いたときはかなり驚いたが、

彼のにこやかな笑顔に邪気は見られない。

今までずっと独りきりでいた私にとって、

彼等のその優しさと温かさはとても新鮮に思え凄くうれしかった。

こんな風に思える時が来るなんて思わなかったなぁ、と私は笑った。

本当に幸せだった。


そしてふと遠い目になり、彼女は最後の一人の事を思う。

葉瀬優也。

彼と話した事などほとんどなかったのに、

そんな私をずっと見て気にかけてくれていた彼。

今日も聞き込みをしに行く生徒会長と副会長に着いて行くことが出来ず

一人残る事になって、少し落ち込んでいたのかもしれない。

独りには慣れていた筈なのに、

知らず知らずのうちに私は人とのふれ合いを求めていたのか・・・。

そんな些細な変化にさえ、彼は気づき一緒に残ってくれた。

それに、神社の池で溺れそうになった時、身を挺して助けてくれた。

差し伸べてくれた力強い手。

体から伝わってきた温もり。

その時の事を思い起こしていくうちに、顔が熱くなって来て、

私は思わず枕に顔をうずめた。

そうしながら、私は今日のらしくない彼の行動を思い出す。

凄く辛そうに俯いた彼、・・・泣いている様にも見えた。

私の視線に気づいたのか背を向けてしまったため、

はっきりは分からないが・・・。

知り合いなのだろうか。

秀美の言葉には否定をしていたが、

何かを隠しているようなそんな気がする。

様子が可笑しすぎる。

何だか、胸が締め付けられるような痛みが私を襲った。


(何だろう、この気持ちは・・・。)

俯いて思い悩んでいたら、

秀美が、気にする事ないわよと言ってくれた。

が、この辛さは消えてはくれない。

うっすらと目の端に溜まった涙が、

目を閉じると同時にほおを伝って流れ落ちた。


   そのまま、私は溶けるように眠りについた―。




面白かったらクリッククリック♪


人気ブログランキング / 学生ブログランキング

posted by 霧沢美咲 at 08:05| Comment(2) | TrackBack(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あらっ?
もしかして恋?
って展開ですか?
Posted by てっちゃん at 2005年09月07日 10:59
えーっと、恋の展開と言うのが
誰と誰の事を指してるのか分からないんですけれど・・・
今はまだノーコメントでっす☆
Posted by 美咲〜てっちゃんさんへ at 2005年09月07日 14:00
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。