2005年09月08日

紫水晶 第七章_再び表れた少女2

■前回のあらすじ  読み直して見る?

 
 取り乱した彼の事を思い出すたび

 ポッカリ穴が空いたかのように、寂しさを感じるの。

 胸に苦しさを伴いながら

 揚羽は眠りについた・・・。





私は目を覚ました。

ある筈の部屋の天井はそこにはなく、

辺りは森林と丈の高い草が風に揺れていた。


(ここは・・・、夢の中だ・・・。)


私はすぐに理解した。

そして渋い顔になる。

夢なんてもう二度と見たくないと思っていたのに。

しかし、どうする事も出来ない。

私は目の前に広がる景色に視線を向ける。

その景色に、私ははっきりと見覚えがあった。

忘れるわけがない。

ここは神社だ。

今日、彼らと友達になれた人生最高の思い出の場所・・・。

寝る前に思い出していた時、

この事があまりにもうれしすぎて夢にまで見てしまったのだろうか。


(にしては、人気がないな・・・。)


そう考えて、私ははっとした。

それはある事に思い当たったための行動だった。

そのある事というのは・・・、

例の夢もまた人気がなかったという事だ。

そんな中、ふと足音が聞こえてきて、

そして振り返るとあの少女が立っていたのだ。

一気に体が強張った。

冷や汗が額を流れ落ちる。

まだそうと決まったわけではないが、

私は急いでその場から離れようとした。

それが一番無難な事に思えた。

が、しかし、足を踏み出そうとした途端に

私の体は私の意志とは関係なしに動かなくなってしまう。


(!?)


驚愕する私の耳に、静かに一歩、そしてもう一歩と

確実に近づいてくる足音が聞こえてきた。

背筋が凍るような思いで、私はそれを聞いていた。

自分の鼓動、そしてその足音の音とが同調して頭の中に響き渡たる。

それがどんどん早くなってきて最高潮に達しようとしたその時、

私は足音の主であろう者にいきなり肩をつかまれ、無理やり振り向かされた。

案の定、そこには例の少女が立っていた。

だが、私は初め彼女を見たとき、

それが本当にあの時の少女なのかどうか分からなかった。

以前は透き通るように白かった肌は黒くくすんでいるし、

腰まで伸びたさらさらのロングヘアは見る影もなく、

髪同士が絡み合い光沢を失い山姥(やまんば)のように広がってしまっている。

白髪の束が所々に目立っている。

だが、顔には本当は私の顔にあるべき瞳がそこにあった。

間違いない。

やはりあの時の少女だ。

だが、この変化は一体どうしたというのか・・・。

目を見開いたまま、まじまじと少女の顔を見つめていた私を、

少女は本当に憎らしげに見、顔を歪めた。

瞳に怒りと憎悪が込められていた。

そして、少女の手が、今やごつごつと太く荒れてしまった指が、

私の目の前に突き出される。

私は思わず息をのみ、そして叫んだ。


「・・・どういうつもり?これ以上、私に何をしようというの!?」


私の言葉に、少女は刺すような視線を浴びせてきた。


「これ以上・・・?何が不満なわけ!?」


その声はまるで八十歳を超える老婆のように、ひどくしゃがれていた。

だが、以前の少女の時の口調・面影が

うっすらと残っているようにも思われた。


「あんたがずっと独りだったから、

可愛そうに思って人に好かれるようにしてあげたんでしょう。

あんたにも断ったはずよねぇ、違う!?」


少女の言葉に私は、以前の夢の事を思い出す。

そうだ、彼女と初めて会った時、彼女は私に


「こんにちは。あなたっていつも独りよね。

寂しくない?寂しいわよね?

今から私があなたを人から好かれるようにしてあげるわ。」


と言われたのだ。

私はいきなりの少女の出現とその言葉の内容に驚き、

まじまじと少女の顔をみてしまったのだ。

そんな私の様子を気にも留める事なく彼女は続けた。


「大丈夫、心配いらないわ。すぐ終わるから。それじゃ、準備はいい?」


そう言って、彼女は手を差し出した。

私が


「ちょっと待って、一体何を・・・」 するつもりなのと言いかける前に

その手を取って目を入れ替えてしまったのだ。

有無を言わせずに。


「あれは断ったとはいわない・・・っ!」


愕然と言い返す私に、彼女はギロリと目を見開き怒鳴りたてた。


「やかましい!!とにかく、瞳は返してもらうわよ。

こっちにも事情が出来たの。

あなたに教える筋合いのない事ですけどねぇ!」


苛立ちを隠そうともせずに、少女は一気にまくし立てた。

構わないわね、と瞳を光らせて何事かを呟いた。

はっきりとは聞き取れなかったがそれは何か呪文のようでもあった。

途端にあの時と同じように

激痛が血の中を通り目のところまでやって来て、

焼けるような熱が私の目を襲った。

そして、何かが自分から抜け出し、

代わりに別の何かが自分の中に入ってきたように感じた。

だが、それは何となくしっくりくるような感覚だった。

意識がなくなる寸前に私はうれしくなって笑った。


(元に、戻ったんだ・・・。)




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posted by 霧沢美咲 at 08:06| Comment(3) | TrackBack(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
美咲が、前回とか思い出すたび
美咲が、揚羽であらすじをBLOGするつもりだった。


Posted by BlogPetのわん☆ダッフル at 2005年09月09日 09:31
謎の少女怖いゎ〜(((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル

揚羽ちゃんは元に戻ってどうなるんだろう((o(б_б;)o))ワクワク。
Posted by まこティ at 2005年09月09日 14:49
そうですね〜。怖いですねぇ><
今後、どうなるかについては続きをUPしてくるので
お楽しみに〜です^^
Posted by 美咲〜まこティさんへ at 2005年09月09日 21:53
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