2005年09月09日

紫水晶 第七章_再び表れた少女3

■前回のあらすじ  読み直して見る?

 夢に再び表れた少女、

 そうか、彼女が安藤真由子さんなのか。

 だけど、彼女のこの変貌振りは何・・・!?

 揚羽の抱く疑問に答えようともせずに

 少女は呪文らしきものを唱える。

 再び目を襲う痛み。

 だが、しっくりはまるような感覚に、揚羽は笑みをこぼした。


 元に戻ったんだ・・・!!



翌朝、昨日約束した通り皆は私の家に集まってきた。

そして、どうやって安藤真由子を捜し出すかを話し合い始めた。


「やっぱりあてもないし、かたっぱしからあたっていくしかないか。」


肩をすくめながら、

ふぅと息をついた生徒会長に私はおそるおそる口を開いた。


「あのぉ、たぶん彼女精進の社≠ノいると思いますよ?」


この私の言葉に、その場にいる全員の目が私に集中する。

その視線に推されながらも、私は続けた。


「それと、私の目も・・・。」


この通りです、と

私は今までずっとかけられていたサングラスに手をかけて

勢いよく取り去ってみせた。

そんな私のいきなりの行動に、生徒会長と副会長は慌てた声で


「なっ・・、何をっ・・・!!」


と叫びながら、素早い身のこなしで自分の目を手で覆い隠した。


「あ・・・。」

「何してんの、二人とも??」


一人平気な優也の間の抜けた声と、

私の目が入れ替わった事を知らされていなかった秀美の

怪訝そうに尋ねる声に二人は何が何だか分からないまま、

指の隙間からこわごわと視線を覗かせた。

そして、何ともないのを確認すると手を下ろし、私の目を覗き込んできた。


「元に、戻ってる・・・?」


戸惑い、どういう事だと目で聞いてくる二人に、

私は本当に元通りになっている事に安心し、

うれしさのあまり微笑んでしまいながら頷き、昨日の夢の事を話した。




「へぇ・・・、良かったじゃん。元に戻ってさ。」


私が話し終えた後、副会長が声を弾ませて言った。


「はい・・・。あの、ありがとうございました。」


頭を下げる私の隣で、優也がくぐもった声を出した。


「・・・それで?これからどうするんですか?」


彼の目は生徒会長と副会長の方を向いていた。

とても真剣な目をしていた。

何かを期待するような眼差し。

そんな彼をじっと見つめ、生徒会長は答えた。


「このまま神社に向かうつもりだけど?彼女に会いに。

花西の話じゃ、彼女も何かに巻き込まれてるみたいだし、

ほっとけないだろ?謎だって残ったままだしさ。」


結城も行くだろ?と振り返る彼に、副会長も頷き、


「ああ、もちろんさ。このままってわけにはいかないだろう。」


と返す。

二人のその言葉に、優也の顔がパアッと輝く。

そして本当にうれしそうに笑った。

それじゃ、早速行きましょうと腰を上げる彼に、

今まで話の展開についていけず

ずっと頭をフル回転させ考え込んでいた秀美が慌てて声をあげる。


「ち、ちょっと待ってよ。私もいくわよ。」


そんな彼等の様子を、私は黙って見ていた。


(皆、彼女のところに行っちゃうんだ・・・。)


また、このまま彼等と分かれて独りになってしまうのか。

そんなのはごめんだ。

私も彼等についていきたい、そう思った。

が、また彼女に会うというのには気がひけた。

私を苦しめた張本人なのだ。

何を思っているのか、こうして目を元に戻してはくれたが、

今度あったらまた何をされるか分かったもんじゃない。

寒気がする。

悩む私を振り返り、秀美が声をかけてきた。


「揚羽ちゃんも、行くよね?」


彼の目が、頑張れと言っていた。

挫けちゃ駄目だと言っていた。

そして、ふと視線を逸らす。

彼の視線の先にいたのは優也。

安藤真由子の事を知っていいるようだった彼。

何かを隠しているかのような彼。

昨日の彼の様子を再び思い起こして、私は唇を噛んだ。

私を苦しめた彼女と彼とが繋がりがあるのかも知れない事、

この事が悲しいという気持ちもあるにはあるが、むしろ・・・。


(悔しい・・・!!)


そう、私は思った。


(そうだ、負けるわけにはいかない。

彼はずっと私の事を見ていてくれたんだもの。

今度は、私が彼を見ていく番だ!!)


顔を上げ、私は彼の方を見た。

決意を秘めた私の瞳に、彼は戸惑っているようだった。

しきりに目をしばたかせていた。


sasie2.jpg

↑は友達が描いてくれた挿絵です☆ありがとーw


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posted by 霧沢美咲 at 09:08| Comment(2) | TrackBack(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いよいよ乗り込みですね♪
謎が明らかになるんですねー☆
たのしみ〜(o゚▽゚)o
Posted by てっちゃん at 2005年09月11日 01:18
ええ♪そうですね^^
これから、とんとん拍子で謎が解けていきますよ☆
いやはや、「やっと!」って感じですね><
Posted by 美咲〜てっちゃんさんへ at 2005年09月11日 09:16
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