2005年09月15日

紫水晶 終章_その後と真実

■前回のあらすじ  読み直して見る?

 父親とも別れを告げて、エリウッドは再び独りになる。

 だけど、寂しくは無い。新しい友達がいるから。

 彼らとはこれからもずっと友達。


 安藤真由子がいた場所に落ちていたという紫水晶。

 それをぎゅっと握り締め、エリウッドは


 「ありがとう」

 そう笑顔で頷いて、空へと飛び立っていった。



終章  その後 と 真実


それから、僕達はまた普通の生活に戻っていった。


結城と僕は、あいかわらず忙しい生徒会の仕事に借り出されている。


が、僕達は燃えていた。


例の、サングラスの許可を取るための活動を始めたからだ。


なかなか、指導部の先生は手ごわい。


まだまだ決着がつくのは先の事になりそうだ。


だが、負けてられない。



 揚羽も、人と接するのに少し慣れてきているようだ。


学校で授業に出るようになったし、


少なからず人と話すようになり、クラスにも打ち解けてきている。


それに優也とも上手くいってるようだ。


優也も、エリウッドに体を貸していた時の意識は


うっすらとだが残っているらしく、彼の事を覚えていた。


それに揚羽と友達になれた事にも凄くうれしそうだった。



 秀美は、あいかわらず女装をして街中を歩いていたりする。


前に一度男言葉に戻った時、揚羽に


「男言葉も出来るんだね、それでも格好いいのに。」


と言われ、顔をふくらませていた。



 エリウッドとは、今でもたまに会ったりする。


彼の話だと、


父親は毎日のように人(に限らず生き物全般)を解放しているらしい。


他の死神たちに何か言われるんじゃないのか、と聞いたら


彼は笑って


「正義は、勝つんだよ。」


と答えたそうだ。


全然死神らしくない言葉だ・・・。


けど彼らしい言葉だ。


竜也は軽く微笑んで、ふと顔を上げた。


目の前にあったのは、街角の小さな宝石店。


ウインドウのガラス越しに、紫水晶がみえた。


それを見て、竜也は考える。




   あれも誰かの想いの結晶なのだろうか。


   今度は一体どんな人達のものなのだろうか・・・。





*   * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *   *


彼らと別れた後、エリウッドは不思議な声を聞く様になった。




 小さな少女の声。



それは実際に存在している声ではなく、


どこか遠くから聞こえてくるような、何かおぼろげの感じのする声だった。


いや、声というよりは音といった方が正しいのかもしれない。


僕には彼女が何を言ってるのかは分からない。


音だけが、伝わってくる。


彼らと別れた後、


いやこの紫水晶と手にした時から。



  再び手の中にあるその宝石に視線を落とした。


いつ見ても、不思議な感じのする宝石だ。


その宝石を通して、


今はもう自分の胸の中でしか会う事の出来ない人を思い出す。


愛しい人、真由子が消えた後に残されたものだから、


そう感じるのかもしれない。


心なしかその宝石から人の温もりが感じられるような気がした。


とても、優しく暖かい。


と、同時にある疑問が浮かび上がってくるのを彼は感じた。



(そういえば、どうして真由子は呪いの解き方を知っていたんだろう。)



母親は精霊の中でもかなり魔力の強い方だ。


人間の中にも魔力を持った人が少なからずいる場合もあるが、


(真由子や彼らに僕たちの姿が見えたのは、


 きっと彼らにも魔力があったのだろう。)


彼女と比べればそれはないに等しいはずである。


それを自らの力で解き、


加えて最後にはその母親の力さえをもはじき返したその力は


一体どこからきたのだろう。


(真由子はごく普通の15歳の少女のはず。それは違う、のか・・・・?)


考え出した彼の手の中で、宝石は異変を示した。


今まではうっすらと暖かさを放っていたそれは、


今や確実なものとなって現れていた。


息を詰めて、彼は握り締めていた手をおそるおそる開いてみる。




_とくん。



握り締めた宝石から伝わってきたその鼓動に、


エリウッドは思わずそれを取り落としそうになる。


気のせいなんかではない。


その証拠に、その鼓動は見る見る間に強さを増していく。




_とくん、とくん、とくん、とくん・・・!!



目を瞑り、その鼓動に同調(シンクロ)する。


自分はこの音をどこかで聞いたような気がする。


上も下も、右も左もない暗闇の中を、ただただ揺られていたかすかな記憶。


そのすぐ隣に感じていた、暖かなぬくもり。


思い出した記憶と共に、今までは音としてしか聞こえていなかった声が


彼の胸に響いた。



  ワタシニ、キヅイテ。


  オネガイ、ワタシニキヅイテ。


   ワタシハココニイルヨ。


  オナガイ、ワタシヲワスレナイデー



一緒に生まれてくるはずだったもうひとつの命。


何かのはずみでそれはかなえられなかった。


(そうか。今まで気づいてあげられなくてごめんね。


 これからは、ずっと一緒だよ。)


彼の呟きに答えるかのように、その紫水晶の輝きは


いつまでも色あせる事はなかった。



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posted by 霧沢美咲 at 10:13| Comment(8) | TrackBack(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とりあえずお疲れ様ですw
 
しかしアレですね、やっぱりコレだけ色々話など
練る事が出来るって言うのは凄いっすね。
俺は今日有った事を文にするだけでもキツイのにw
 
まず第三者の目線で色々書くことが難しいですしね(^w^;
Posted by ドーラ at 2005年09月16日 12:00
ありがとう御座います♪

うーむ。私はただ、夢でみたお話や妄想の切れ端を
言葉に変えているだけで特に凄くはないと思います^^;
どう表現しようか、どういう書き方をしようか、
悩んでますよ!勿論!毎回!
スラスラッと書いてる訳じゃないですよ??
それに、妄想少女は褒められたものじゃないっすよ?
いつでもどこでもトリップしていますから。

むしろ、普段の出来事をおもしろおかしく書けるドーラさんの力の方が
凄いと思うし、将来性があると思うなぁ・・・♪
Posted by 美咲〜ドーラさんへ at 2005年09月17日 17:55
( ´△`)アァ-終わってしまいましたねぇ。
全体を通しておもしろかったです.。゚+.d(´∀`*)。+.゚
中学生の時に書いたっていうのが・・・凄すぎです♪
またいろいろな作品を楽しみにしてます。
Posted by まこティ at 2005年09月22日 09:19
最後までお付き合い頂いて、ありがとう御座います〜♪
楽しんで貰えたようで本当に嬉しいです☆
まこティさんは、長編と短編、どちらがお好きですか??

それにしても、これ長かったなぁ・・・。

Posted by 美咲〜まこティさんへ at 2005年09月22日 10:01
ドモ ヽ(゜▽゜*)Ξ(*゜▽゜)/ ドモ
久々に来たら、終わってる・・一気に読みました^^
めっちゃおもしろかったです。
お疲れ様でした^^
次回作・・・楽しみにしてます〜〜〜(*゜▽゜)ノ
Posted by みーこ at 2005年09月26日 01:31
こんにちは〜♪
ええ、「紫水晶」無事完結しました☆
読破、ありがとう御座います〜^^

これからも、新しい作品をどんどん増やしていけるよう
頑張りますねっ♪
よろしくお願いします!
Posted by 美咲〜みーこさんへ at 2005年09月26日 17:32
お久です(^^) 仕事が超忙しくて最近パソさわれてなくて今ごろ見終わりましたm(__)m
僕も思います、このストーリーを中学に書いたというのは衝撃です。きっと色々な本や感受性を沢山聴きいってたんだと思われます(^^*)
物語はすごく面白かったです!頭に映像が出て来ながら読んでて、世界に入ってました(^^) 揚羽さんの、「なんでここまで人の事を想えるの?」に共感しました。人の気持ちになるってすごく難しいことですよね。完全には分かれないけど、気持ちはいつも持とう。この答えに辿り着くまで僕は何年もかかりました。
グッときたのが、「そんな思いつめる事はないんだよ。大丈夫だからさ。」の途中台詞。簡単に言えますが、言われた相手は、たっぷりの安心言葉ですよね(^^)
とっても面白かったでした!☆
Posted by おしょ at 2005年10月03日 19:41
おしょさん、お久しぶりです〜♪
お仕事、お疲れ様です〜><
そんな中、「紫水晶」を最後まで読んだ下さり、ありがとう御座いますっ!!
わーい☆面白かった、と言って貰えて私としても感無量です☆

揚羽さんを説得させるそのシーンは、結構苦労した場面ですね〜。
人の心を揺さぶる言葉、響く言葉はなんぞや?って
悩みに悩んでその台詞にしました。
「良かった。共感してくれる人がいて」
とたった今、胸をなで下ろしてます♪

ご愛読、ありがとう御座いました〜☆
次の作品も、お楽しみ下さいませ〜^^
Posted by 美咲〜おしょさんへ at 2005年10月03日 20:21
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