2005年10月15日

セピア色の思い出は今も共に

お題:セピア色


      手にすれば甦ってくるあの頃の思い出

      色褪せてしまっても、今も心の中に輝いている

      今も昔も、変わらない思いがそこにある


てっちゃんさんからのリクエストです♪
 ありがとう御座いました〜☆
 リクエストはただいま随時受け付け中です☆こちらからどうぞ〜♪)



「じいちゃ〜ん、見つかったぁ?」


孫の拓也の声が聞いてくる。

なにやら社会の授業で、

戦時中のものを持ってくるように言われたらしい。

今、祖父と孫は一緒になって物置の中を探し回っていた。 

「いや・・・、そっちはどうだい?」

「うーん・・・見つかんない。」

ほんとぉに取って置いてあるのぉ?とぼやきながら

あちこちをあさって回っている孫の様子をチラッと眺めやり

片付けが大変だな、と苦笑しつつ

私は、目の前にあった段ボールの箱を開けてみる。


中には、本が入っていた。

パラパラとそれをめくって見、ほんの少し懐かしさに浸った後

元通りに段ボールの中に仕舞おうとした時、

本の間から一枚の小さな紙が落ちてきた。



「・・・?」


拾い上げてみれば、それは

セピア色になった写真だった。

そこに写っていたのは・・・。


「あ〜!!これっ、昔の貨幣って奴じゃん!?

 うっわ、すっげー!!」


拓也が歓声をあげている。

だが、私はその写真に釘付けになっていた。


昔の記憶が鮮明に甦ってくる。

若きあの頃。

好きな娘と一緒に写真を撮りたくて、

だけど恥ずかしくてどうしても言い出せなかった。

友達に頼んで

いかにも自分たちが写真の取り合いっこを

しているように見せかけながら

実は彼女も一緒に入るようにしくむ『隠し撮り』をしてもらい

撮った写真がこれだった。

ひきつった私の後ろに

目をこらさないと分からないくらい小さく写っている少女。

お世辞にも良い写真とはいえない。

だけど、私はこの写真を財布の中に入れ

肌身離さず持ち歩いていたっけ。


ふっと笑みをこぼす私の腕を、

いつの間にか隣に来ていた拓也が引っ張っている。


「じいちゃん。じいちゃんってば!

 ばあちゃんがお茶にしようってさ。

 ん?何その写真?

 ・・・あ、これもしかして 若い頃のじいちゃんとばあちゃん!?」

ビックリまなこで、ひとしきり驚いた後、

拓也はどこか嬉しそうに笑った後、打ち明けてくれた。


「昔もあったんだね!隠し撮りっ!

 へぇぇ〜、じいちゃんもそうだったのかー。

 実はさ、僕も好きな娘がいてさ。

 ほら、これ。

 友達に頼んで隠し取りしてもらっちゃった♪」


二人はくすくすっと笑いあった。

変わらない思いを胸に抱きながら。





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posted by 霧沢美咲 at 10:09| Comment(2) | TrackBack(0) | お題ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今迄読ませて頂いた作品の中では、私にとっては
最高でした。何故かと言うと(本当は内緒にしておきたかったけど、白状します。)私は小泉総理
と同じ年齢1942年17年生まれです。だから
私が幼年の頃は我が家にも軍服の肩に付ける星
など、上の兄は上等兵で星3つ、下の兄は航空兵で星は一つだけど落下傘の小さいのetcありました。勿論軍服姿の勇ましいのもありました。飯ごうとか、軍隊で使った水筒とかいろいろありました。勿論色あせた写真も、そんな昔が懐かしくも
あります。今は平和でいいですね。年齢バレましたね。心は20歳です  Gucci
Posted by Gucci 改め 田村純一 にします。よろしく at 2005年10月15日 18:59
わぁ!最高でしたか!
私が小学生の頃にこの、戦時中のものを持って来なさいと
言われた経験を参考にして描いてみました。
私の内にも軍隊に使った水筒や
貨幣が少々、それから
軍服姿の祖父の写真等がありました。

私はその時代に生きていた訳じゃないので
想像でしか分からないけれど、
戦時中は凄く厳しく苦しく怖い時代だったでしょうね。
だからほんの小さな幸せも、大切に生きていたのではないか思いました!
Posted by 美咲〜田村純一さんへ at 2005年10月17日 22:00
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