2005年11月09日

Spirit☆Form 暗闇の中で


    苦しみも悲しみもしがらみも

    ここには存在しない。

    幸福に包まれた、僕の大切な場所__________

 ■ 序章 暗闇の中で



(ああ…、俺はまたここに来たんだな…。)


今や馴染みとなった感覚に、

少年は安心しそのまま浮遊感に身を任せる。

気を張り詰めこわばっていた体から力が抜け、

きつく閉ざされていた口元に笑みが浮かんだ。

その表情は儚げな雰囲気を思わせる。

線の細い体つき。そして血の気の無い白い肌。

少し長めの黒髪が肌に影を落としより一層儚く見えた。


そんな、一見すると少女のような容貌をしているが、

彼はれっきとした少年だ。

名は宮内沙希(ミヤウチサキ)。15歳。


沙希は自分の名前が嫌いだった。

男だか女だかはっきりしない。

何だって両親は俺にこんな名前をつけたのだろう。

幾度と無く覚えた苛立ち。

だが、沙希はその思いを口にする事が出来なかった。


名付け親は母親の方で、

とても傷つきやすい性格の持ち主だ。

少しでも強い口調で攻め立てようものなら、

子供の前だろうが何だろうが直ぐに泣き出してしまうような人である。

そんな母親に苛立ちをぶつけるなんて、とてもじゃないけど出来る訳が無い。

それに、嫌だといったところで名前が消える訳じゃない。

一生、生ある限り共にあり続けるしがらみだ________


 そう、世の中はしがらみに満ち溢れている。


そんな記憶の片隅によぎった考えを、

どこか他人事のように感じている自分に沙希は気づいた。

この暗闇の中には何の障害も存在しない。

ここでは安らぎと共にすべてを忘れる事が出来る。


一体いつからここに来るようになったのか。

それすらももう忘れてしまった。

それも良いのかもしれない。

何より、ここでは苦しまずにいられる。

それが沙希にとって救いだった。



(そうさ。何もかも忘れて、

 ここでこのままずっと揺られて過ごすんだ。

 誰にも邪魔されない。ここには俺一人しかいないんだから。

 そうだよ、うん!悪くない!)


くすくすっと楽し気に笑い、

沙希はしばらくの間その場でまどろんでいた、




面白かったらクリッククリック♪


人気ブログランキング / 学生ブログランキング



posted by 霧沢美咲 at 17:00| Comment(4) | TrackBack(0) | ファンタジー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
美咲さん今晩わー
何だか凄く少女らしい少年のような気がするのは私だけでしょうか・・・・・・・・(汗
沙希君・・・・・・大変なお母様をお持ちなんですねぇー
うちの悠と何となく重ね合わせてしまいますよ。
っていうかっっ!ココって何処なんでしょう!?
凄く気になりますっ!
でわ私は学校の宿題で短編小説書かなくちゃいけないので・・・・・・・・・(さっさと書けよ
Posted by 麻生紗椰 at 2005年11月09日 21:54
私の息子の事を思い出します。私は徳川家康が好きで24巻読みました。晩年の家康は狡猾そのもの
かも(でも、それはゆるぎない、太平の世を作る為やむ終えないこと、)元服した時の名前が松平
元康でした、青年時代の元康は素晴らしい人物でした。だから私はその名が気にいって息子が誕生
折り、元康と名付けました。だが、息子にとって
その名はとても気に入らないようでした。人からいろいろ、言われるし自分に取っても負担に感じるのでしょうか?兎に角名前負けしました。いっつそ何処かの松平さんにでも養子に出せば良かったかなぁと思っています。たかが名前されど名前ですね。
Posted by 田村純一 at 2005年11月10日 13:56
どうも、こんばんはー!
う。やっぱり少女ちっくな少年ですか?^^;
そういう設定ではあるんですが、
ちょっと少女入りすぎでしょうかね??
悠君もご両親には凄い仕打ちを受けてましたねぇ・・・。

えーっと、それからここが
オープニングにもさわりの部分を書いたんですけれど
その噂の「夢見の世界」で御座います☆

学校の宿題で短編小説を書くんですか?
面白そうですねー!!私も是非そういう宿題を出して欲しかった・・・!!


Posted by 美咲〜紗椰 さんへ at 2005年11月10日 21:53
こんばんは。
名前はやっぱり大事だと思う私です。
新聞やニュースで赤ちゃんの名前が載ったりするけれど、
それを見てると変わった名前が多いなぁ〜と感じます!
人それぞれ感性も違うし、価値観も違うので
どうこう言えるものじゃないですけれど・・・

でも、名前ひとつで
子供達の間でからかわれたり、負い目を感じるという事はありますよ。
大人であればまだ、どうって事ないって感じるようになるかもしれませんけど
子供はモロに周りの影響を受けるから・・・。
子供は言って良い事悪いことの区別なんてつかないし遠慮無いですしねぇ・・・。
それに対して、言われた側も精神的に弱いから影響大だと思うし。
負担に感じる事だってあるでしょうね。

とまぁ、そんな事を考えたりしてます^^;
それでこうして今回小説にも取り入れてみました〜。
Posted by 美咲〜田村純一さんへ at 2005年11月10日 22:12
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。